今月の兼題は、春のぬかるみである「春泥」でした。それぞれが 7句を出句し 7句を選句しました。
ご指導の本井英先生(S50文・博)からは、24 句の選がありました。
今月から塩川孝治さんが新たに参加されました。
参加部員は、13名。
★ 本井先生の出句
春泥に映りてはをり狭斜の灯
二日ほど雨夜もありて蟇の声
たゆむことあるにはありてひきの声
部屋の灯の池面にこぼれ蟇の声
生きのびて春の雨夜の蟇の声
水中へ溶けてゆく闇蟇の声
和する声あらざるままに蟇の闇
★ 部員の打表作(50 音順)
幾重にも白きスロープ枝垂梅 大崎洋一
猪のぬた場となりて春泥は 岡部健二
托鉢の白き脚絆に春の泥 奥田眞二
塀越しのミモザの向こう椅子一つ 河相光子
春泥の轍に残るキャベツの葉 酒井一彦
ぬぬぬぬつと春泥に脚とられけり 塩川孝治
たぷたぷと舟揺る波も春めける 津田祥子
青空に枝を延ばして花ミモザ 栃澤峰子
脱ぎし靴きちんと揃へ雛の客 萩原ふみを
大試験輝きながら子の帰る 馬場英人
玄関に春泥散らし子らのくつ 深谷むじゅん
春泥へをさな子ひよいと抱きかかえ 宮田公子
春の土畑の畝の黒々と 山下ひろ子
★ 今後の予定
兼題「子猫」 4 月14 日(水)を予定しています。