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武内 公一:ジャンル 書、書道-写真、書道-日本画
福翁百話
人間とは、一方から見ると本当の姿のようだが、一方から見ると虚無のようで、すべてぼんやりとして際限がないものである。多くを語ってしまっているが、どうか笑わないでもらいたい。これもまた人生をしゃれのめして過ごす戯れのひとつなのだから。
2018年かながわ書道祭り出品作品
送春
世間の俗物どもにはわからぬのだ。こうして天寿を大切に長生きして、道理に生きる喜びを味わい、身も心も安祥として、天地陰陽の運行とともに推移し、生きていくことの意味を。春も行き、花もすっかり散って、山間に詩を吟ずる。風はおだやかで、草はぽかぽかと暖かく、昼間はここで居眠り、畑の蔬菜はみごとに実って、香にひかれて蝶がやってくる。高い木に雲のかかる上を、ホトトギスが早くも鋭い鳴き声をあげて飛んでいく。あり余るほどのこの安らかな静けさの中には、あえてなすべき何事もない。年老いてこのかた、ちょっとした仙人の気分を味わっている。
2017年毎日書道展出品作品
小野小町
桜の花の色がすっかり色あせてしまったと同じように、私の容姿もすっかり衰えてしまったなあ。桜に降る長雨を眺め、むなしく恋の想いにふけっている間に。
サンセットクルージング
藤沢三田会のクルージング部会による2017年葉山沖のやまゆり号でのサンセットクルージングにて撮影と俳句。