今月の兼題は「蛍(螢)」で、水辺に棲み青白い光を明滅して飛び交う虫です。
各自 7句出句し, 7句選句をしました。指導の本井英先生(S50 文・博)からは、26句の選があり、それぞれにつき講評を頂きました。
「季題と出会うことは喜びであり、生き甲斐を感じる」というご表現が印象的でした。
出句部員、15名。
*本井先生の出句
沢風に乗りて螢火迅きこと
螢火の水にこぼれて滲みけり
螢狩に誘はれてをり待つてをり
葉の裏の螢ほのかに明滅す
螢火の突進するといふことも
すれ違ひし娘は従姉妹螢狩
簡単にすませる夕餉螢狩
*部員の代表作(50音順)
乳母車ゆつくり進み夏に入る 大崎洋一
集落の絆となりて夕蛍 岡部健二
かたつむり汝が戦車に見ゆる日よ 奥田眞二
明り消して螢と遊ぶ蚊帳の中 小澤喜久子
蛍火の糸曳くごとく闇に消え 河相光子
滴りや即身仏の矢倉あと 佐藤月子
更紗空木うす紅群れてなよと浮き 酒井一彦
守宮ぴつたり張り付いて玻璃戸越し 塩川孝治
螢狩沢へ下りゆくペンライト 津田祥子
きざはしに沿ひ夏萩の紅の濃し 栃澤峰子
理髪店出でてすつぽり夏帽子 萩原ふみを
あつ右におや左にも螢かな 馬場英人
鎌倉の源平に舞う螢哉 平林秀人
かきつばたあやめの彩とにらめつこ 水戸将史
山宿の主の案内蛍の夜 宮田公子
*今後の予定
2022年7月13日(水)
吟行 : 小田急線 片瀬江ノ島駅 10 : 00 集合
部会 : 鵠沼公民館 第一学習室 13 : 00 〜 17 : 00